口唇拡大術|手術の詳細
口唇拡大術は、口唇裏側の見えない部分で粘膜をジグザグに切開し、傷口をずらして縫い合わせることによって口唇をふっくら厚くする方法です。
傷口は口唇の裏側にあるため、正面から見えません。
【麻酔方法】
局所麻酔 笑気麻酔 ラリンゲルマスク
口唇拡大術|ダウンタイム・術後経過
【ダウンタイム】
個人差があります。
■ 腫(は)れ
術後1~5 日目は目立つ腫れが生じますが、2 週間ほどで落ち着きます。
目立った腫れが引いた後も口唇にはむくみが残ります。
内出血や感染症になった場合、腫れが長引く事があります。
■ 内出血
手術操作によって細かい血管が傷つくと、粘膜の下で出血し口唇が紫色になりますが、1~2 週間で消失します。
■ 抜 糸
1 週目
■ メイク
口唇部分は抜糸の翌日から可能です。その他の部分は手術2 日目から可能です。
■ 食 事
手術当日から可能です。約1~2 週間は熱いもの、辛いもの、堅いものは控えて下さい。
■ 通 院
1 週目、2 週目
【ダウンタイム後の経過】
1. 唇
腫れやムクミにより、一時的に唇の厚みや大きさに左右差が生じることがあります。
2. 傷
良く見れば傷跡は見えますが、口唇の裏側に出来る為、通常外から見えることはありません。
術後3 ヶ月程は硬くなりますが、徐々に柔らかくなってきます。
3. 完 成
約6 ヶ月後
口唇拡大術|術後に起こりうるトラブル
【喫煙について】
術前2 週間前~1 ヶ月は禁煙をお願い致します。喫煙により血液の循環を悪くすることで、傷の治りが悪くなります。
その為、傷口が赤く盛り上がって目立つ、また、頭の中の傷口の脱毛箇所が広くなってしまうことがあります。
また、細菌がついて感染を引き起こす原因にもなります。
手術後4 ヶ月は腫れや炎症が残っているため、傷が酷く残りやすく、また癒着(ゆちゃく)が強く変形が起きやすいため、原則として再手術には適さない時期です。腫れや炎症が治まる4 ヶ月以降に判断し、調整を行わせていただくことをご了承下さい。
口唇拡大術|トラブル一覧
A) 感染(化膿する)
B) 傷口が開く
C) 中縫いの糸の露出
D) 傷口の先端のふくらみ
E) 傷口の先端のふくらみ
F) 大きさ・厚さの左右差
G) 口唇が薄い(効果が足りない)
H) 口唇が厚すぎる(効果があり過ぎる)
I) 違和感
J) 感覚麻痺
K) 口唇が動かしにくい
A) 感染(化膿(かのう)する)
A-1トラブルの内容
口唇拡大の手術後、治療部位に熱感・痛み・腫れが増す、あるいは長引く場合は感染が疑われます。
A-2 対応
感染が起きた場合は、内服薬の服用や抗生剤点滴投与を1 週間行い、必要に応じて傷を再度開ける、もしくは、新たに切開し膿を出すなどの処置を行います。
B) 傷が開く
B-1トラブルの内容
稀に糸が外れたり、傷口の治りが悪く、傷口がひらいてしまうことがございます。
B-2 対応
傷が開いた場合は、再度、縫合いたします。
C) 中縫いの糸の露出
C-1トラブルの内容
中縫いの糸(皮膚の下の組織を縫い合わせる糸)が露出することがあります。
C-2 対応
放置していると化膿する危険がありますのでお早めにご来院ください。糸を取り除く処置をさせて頂きます。
D) 血が溜まる
D-1トラブルの内容
術後に傷の下で出血すると、唇が紫色に腫れ上がることがあります。
D-2 対応
放置しておくと、感染やしこりの原因になるため、早めに処置が必要になります。傷口の一部を再度切開し、溜まった血を排出します。
E) 傷口の先端のふくらみ
E-1トラブルの内容
切開した粘膜をずらして縫合する為、傷口の先端に余った粘膜がふくらみを作ります。
E-2 対応
3 ヶ月程経過すると、傷の硬さが取れてふくらみは小さくなります。
それでも膨(ふく)らみが残った場合には、余った粘膜を切り取る手術をさせて頂きます。修正手術を致しますと傷が長くなりますことをご了承下さい。
F) 大きさ・厚さの左右差
F-1トラブルの内容
元々ある左右差や、手術操作により起こるわずかなズレや左右差が原因で、唇の形や大きさ、厚さに左右差が生じる場合があります。
F-2 対応
小さい、薄いと感じる側の粘膜を再度ジグザグに縫い合わせてボリュームを出す。
又は、大きい、厚いと感じる側の唇の粘膜を少量切除し、もう一方に合わせることで、左右差を改善します。
また、口唇の厚みが足りない部分にヒアルロン酸の注入も有効です。
※ 但し、左右差を揃えるには限界があることをご理解下さい。
G) 口唇が薄い(効果が足りない)
G-1トラブルの内容
口の中の粘膜が表に出てきて、口唇をめくり上げる効果がありますが、元々口唇の厚みが小さい場合、十分な拡大(厚みが増す)効果が得られないことがあります。
G-2 対応
唇が薄いと感じ、更に口唇を厚くしたい場合は、再手術もしくはヒアルロン酸注入、または、脂肪注入を行うことでボリュームを出すことが可能です。
元々口唇に厚みがない方は、再手術で裏側の粘膜を表にずらしても、口唇のふっくら感を出すには限界があります。そのような方には、ヒアルロン酸注入や脂肪注入が適しています。
H) 口唇が厚すぎる(効果があり過ぎる)
H-1トラブルの内容
口唇の仕上がりを術前に正確に予測することは出来ません。術後の仕上がりがご希望より厚くなることがあります。
H-2 対応
唇が厚すぎる、大きすぎると感じる場合、唇の粘膜を切除し、大きさ、厚さを薄くする処置を行います。
I) 違和感
I-1トラブルの内容
術後につっぱり感や硬さが生じるため、違和感を感じることがあります。
I-2 対応
口唇は、会話や食事で頻繁に動かし敏感な部位であるため、違和感を感じやすい部分です。
手術による炎症が原因なので、術後の経過とともに切開部分が徐々に柔らかくなり、違和感も消失しますが、完全に違和感がなくなるまでには、3~6 ヶ月程度要することもあります。
J) 感覚麻痺
J-1トラブルの内容
手術の際に細かい神経を触るため、術後に口唇の感覚が麻痺したり、しびれを感じたりすることがあります。
J-2 対応
通常3~12 ヶ月程度で改善してきますが、まれにしびれが残ることもあります。
K) 口唇が動かしにくい
K-1トラブルの内容
口唇の粘膜を切開する際に、粘膜の下にある筋肉も一部切開します。その為、術後に口唇を動かしにくくなります。
K-2 対応
3~6 ヶ月で傷が落ちつくにつれて、筋肉の動きも回復してきます。
※ 但し、完全に術前と同じ動きにならないこともある事をご了承下さい。