蒙古襞形成術|手術の詳細
目頭切開を行なったことで見えすぎてしまっている目頭のピンク色の組織(涙丘)に、モウコヒダという皮膚を作り被(かぶ)せます。丸見えだった目頭のピンク色の組織(涙丘)が隠れ、近づきすぎた目と目の間に距離感を出すことができます。
また、不自然に三角にとがった目頭が丸みのある形になります。
モウコヒダは、目頭の皮膚を切開して折りたたんだり、下まぶたの皮膚を移動させたりして作ります。
状態によっては、皮膚が足りずに植皮を行う場合や、手術を数回に分ける必要があるケースもあります。
● 蒙古襞形成
● 蒙古襞形成 下眼瞼flap法
【麻酔方法】
局所麻酔 笑気麻酔 静脈麻酔+ラリンゲルマスク 全身麻酔
蒙古襞形成術|ダウンタイム・術後経過
【ダウンタイム】
個人差があります。
■ 腫(は)れ
約7~10 日間 目頭部分から目の周囲、白目に出る可能性があります。
内出血や感染症になった場合、腫れが長引く事があります。
■ 内出血
注射の針が当たるか手術操作によって細かい血管が傷つくと、皮膚の下で出血紫色になりますが、1~2 週間で消失します。目頭から目の周囲にでる可能性があります。
また、白目に内出血が出現すると白目の一部が赤く見えますが、こちらも1~2 週間で消失します。
■ 抜 糸
7~14 日目(目頭についている糸を2 回に分けて抜糸します)
■ コンタクト
翌日から可能ですが、ゴロゴロと違和感があるときは中止して下さい。
■ メイク
アイメイクは抜糸の翌日から可能です。その他の部分は手術の翌日から可能です。
■ 通 院
7日目・14 日目
■ 完 成
約6 ヶ月
【ダウンタイム後の経過】
手術後は傷の硬さのため、モウコヒダがなめらかなカーブにならないことがありますが、しばらくお待ち頂くことで軟らかくなり、落ち着きますので安心ください。
1. まぶた
腫れやムクミにより、作ったモウコヒダが太く、盛り上がって見えることがあります。
2. 傷
傷の赤みは数ヶ月かけて薄茶色(色素沈着)から白っぽい線へと変化し改善します。
蒙古襞形成術|術後に起こりうるトラブル・対応
【喫煙について】
喫煙は血液の循環を悪くする為、傷の治りが悪くなります。細菌がついて感染を引き起こす原因にもなります。
術前2 週間前~術後最低1 ヶ月は禁煙をお願い致します。
手術後4 ヶ月間は、腫れや炎症が残っているため、手術を行うと、傷が汚くなる、癒着(ゆちゃく)が強く変形するなど、原則として調整や手術は行えない時期です。腫れや炎症が収まる4 ヶ月以降に判断し、調整を行わせて頂くことを御了承下さい。
※文中の『術後』の表記においては、初回手術を基準とさせて頂きます。
蒙古襞形成術|トラブル一覧
A) 目頭の被りが物足りない
B) 目頭が被り過ぎている
C) 目頭の被り方の左右差
D) 2回以上の手術が必要
E) キズアトが気になる
F) 二重の形が変わる
G) 中縫いの糸が出てくる
H) 感 染(化膿する)
I) 血が溜まる
J) 傷が開く
K) 白目や角膜の損傷
L) 眼球の火傷
A) 目頭の被(かぶ)りが物足ない
A-1トラブルの内容
目頭周辺の皮膚の余りが少ない場合には、十分な大きさのモウコヒダを作ることが出来ません。そのため、ご希望より目頭の被りが物足りなくなることがあります。
また、作成したモウコヒダはキズの治る過程で、つっぱったり縮んだりして被りが小さくなることがあります。
作成出来るモウコヒダの大きさだけでなく、形も自在にコントロール出来るわけではありません。
目頭上方の部分を被せて欲しいという希望には、多くの場合添えないことをご了承ください。
A-2 対応
もっと目頭を被せたいと希望された場合、再度モウコヒダを作る手術を行わせて頂きます。
2 回目以降の手術では、目頭周辺の皮膚の余りがどんどん少なくなりますので、目頭を被せることがますます難しくなりますし、キズアトも増えます。
下まぶたの皮膚を移動させる場合には、下まぶたが下にひっぱられて外反や下三白眼になる可能性もあります。
植皮術が必要になることもあり、その場合キズアトが更に増えます。
再手術をしても、ご希望通り目頭を被せることが出来ないことがあることをご了承ください。
B) 目頭が被り過ぎている
B-1トラブルの内容
作成したモウコヒダは、キズが縮むとつっぱりが強くなり、目頭の被りが大きくなることがあります。また予定通り目頭を被せることが出来ても、目が小さくなったり、目と目が離れ過ぎた、と感じることがあります。
B-2 対応
目頭が隠れすぎたと感じる場合は、術後4 ヶ月以降に、被せたモウコヒダを部分的に切開して調整を行ないます。
※ ただし目頭切開を行っても、ご希望通りの大きさや形にはならないことがあることをご了承ください。
C) 目頭の被り方の左右差
C-1トラブルの内容
目頭周辺の皮膚の余りや、術後のつっぱりや縮みが左右で異なりますと、目頭の被りに左右差が生じることがあります。
C-2 対応
目頭部分に左右差が生じた場合、基本的に被さりが大きい側(片側)のモウコヒダを切開して目頭を広げる処置をさせて頂きます。
※ ただし、再度手術を行っても、完全な左右対称にはならないことがありますことをご理解下さい。
D) 2回以上の手術が必要
D-1トラブルの内容
以前に受けられた目頭切開のキズアトの場所と大きさによっては、モウコヒダを作るために皮膚を切開すると、皮膚の血行が悪くなることがあります。その場合、手術を安全に行うために、数回に分け、段階的に手術を行わせて頂くことがあります。
D-2 対応
2 回以上に分けて段階的に手術を行うかどうかは、手術前に判断させて頂くことが多いのですが、術中に判断する場合もあります。
E) キズアトが気になる
E-1トラブルの内容
体質により、キズアトがケロイドのように赤く盛り上がったり、逆に凹んでしまうことがあります。
E-2 対応
キズアトは、ほとんどの場合、術後3 ヶ月程で治まってきます。キズアトの修正を希望される場合、下記の方法を用いて改善を図ります。
◆ ステロイド注射(ケナコルト)
赤く盛り上がったキズを平らにする効果が期待できます。
効果が出るまで、1 ヶ月に1 回の治療を繰り返す可能性があります。
またステロイドの副作用として、皮膚や傷が凹む、細かい血管が浮き出るといったことがあります。
◆ CO2 レーザー照射(術後3 ヶ月以降)
キズアトの段差を削って、なめらかにする効果があります。処置後は3 ヶ月程赤みがあります。
◆ 切開法(術後4 ヶ月以降、傷の赤みが消えたうえで)
再度、切開し縫合いたします。
※ 傷を完全になくす事は不可能であり、目立たなくするという目的であることをご了承下さい。
また、個人の体質的な要因が大きいため、キズアト修正には限界がありますことをご理解ください。
F) 二重の形が変わる
F-1トラブルの内容
モウコヒダを作ることにより、平行型の二重が末広型に形が変わることがあります。
F-2 対応
平行型の二重に戻したい場合は、二重の幅を広げる手術が必要となります。埋没法や切開法によって二重を広げることをご提案させて頂きます。
※ ただし、モウコヒダのつっぱりが強い時は、二重を広くしても平行型にならないことがありますことをご了承ください。
G) 中縫いの糸が出てくる
G-1トラブルの内容
皮膚の下の組織を縫い合わせている糸(中縫いの糸)が出てくることがあります。
G-2 対応
露出した糸を放置していると、化膿する危険がありますのでお早めにご来院ください。糸を取り除く処置をさせて頂きます。
H) 感 染(化膿(かのう)する)
H-1トラブルの内容
赤み・腫れ・痛み・熱感が増したり、長く続いたりする場合は、感染の疑いがあります。
H-2 対応
感染が起きた場合は、抗生剤の投与を行います。膿が溜まっている場合は、必要に応じて傷を再度開ける、もしくは、新たに切開し、膿を出す処置を行います。
I) 血が溜(た)まる
I-1トラブルの内容
術後に傷の中で出血しますと、血が溜まってまぶたが腫れ上がります。血が溜まったままにしておきますと、感染やしこりを作る恐れがあります。
I-2 対応
血が溜まった場合、そのままにしておきますと感染やしこり形成の原因となります。出来るだけ早く処置する必要があります。その際は再度傷を開け、溜まった血を排出します。
J) 傷が開く
J-1トラブルの内容
稀に糸が外れて、傷が開いてしまうことがあります。
J-2 対応
傷が開いた場合は、再度、縫合いたします。
K) 白目や角膜の損傷
K-1トラブルの内容
大変稀なことですが、可能性は否定できません。手術中に、手術器具が当たる、あるいは糸やまつ毛の先端が当たって眼球の表面に傷がつくことがございます。
K-2 対応
白目や角膜の損傷や眼球に火傷が生じた例も報告されています。状態に応じた処置や対応を行います。
L) 眼球の火傷
L-1トラブルの内容
大変稀なことですが、可能性は否定できません。手術中に血を止めるための電気メスやバイポーラによって発生した熱で、眼球の表面に火傷を作る可能性があります。
L-2 対応
白目や角膜の損傷や眼球に火傷が生じた例も報告されています。状態に応じた処置や対応を行います。