目力アップクイック法|手術の詳細
上まぶたの裏側に糸を通して、目を持ち上げる筋肉をたぐり寄せるように短縮させて、目の開きを大きくする手術です。切らずに眼瞼下垂を修正する方法です。
二重の幅を調整する手術ではありません。新たに二重を作る、または、二重の幅の調整を希望される場合は、別途二重を作る手術が必要となります。
1. 上まぶたをひっくり返して裏側(結膜)に糸を通します。
2. 糸を結ぶと、結膜とミュラー筋が短縮します。
3. まぶたの裏側に糸を埋める手術です。表側から手術のあとがわかりません。
※ 視力矯正などのため、コンタクトレンズ(ソフトタイプ・使い捨てタイプ・カラー有)を日常生活で使用されている場合は、二重の幅を確認して頂くため、手術の際に装着して頂くことをおすすめ致します。
【麻酔方法】
麻酔テープ 局所麻酔 笑気麻酔 静脈麻酔+ラリンゲルマスク
※ 眠る麻酔を使用した場合は、手術中に目を覚まして頂き、鏡を見ながら開きの調節が必要となります。
目力アップクイック法|ダウンタイム・術後経過
【ダウンタイム】
個人差があります。
■ 腫(は)れ
約3 日~1 週間(上まぶたにムクミが出ます。)
内出血や感染症になった場合、腫れが長引くことがあります。
■ 内出血
注射の針が当たるか手術操作によって細かい血管が傷つくと、皮膚の下で出血し上眼瞼から目の周りが紫色になりますが、1~2週間で消失します。
また、白目に内出血が出現すると白目の一部が赤く見えますが、こちらも1~2週間で消失します。
■ コンタクト
手術当日から可能ですが、ゴロゴロと違和感があるときは中止して下さい。
■ メイク
手術当日から可能です。
■ 通 院
なし
■ 完 成
約1 ヶ月
【ダウンタイム後の経過】
手術後は腫れやむくみがあり、ご希望と異なると感じることがありますが、しばらくお待ち頂くことでご希望通りに落ち着きますので、ご安心ください。
1. まぶた
○ 腫れやムクミにより一時的に目の開きに左右差が生じることがあります。
また、目の開きが大きすぎると感じることがあります。
○ 目の開きが良くなることで、光が今までより多く目に入るようになりますので、眩しく感じることがありますが、次第に慣れ、自然とご自分で調整が出来るようになります。
○ まれに、視界がぼやけて見える時期があります。角膜の腫れが影響していると考えられますので、腫れが落ち着くと共に改善されます。
2. 眉 毛
目を開ける際に額の筋肉を使用するクセがある方は、眉毛が本来の位置よりも高い位置に持ち上げられています。
手術後は、過剰に額の筋肉を使用する必要がなくなるため、上がっていた眉毛が本来の位置へと戻ります。
そのため、手術前と比べると、眉毛の位置が下がります。
3. 加齢による変化
手術後も目の開きが狭くなる等の加齢による変化は引き続き起こります。
目力アップクイック法|術後に起こりうるトラブル・対応
【喫煙について】
喫煙は血液の循環を悪くする為、傷の治りが悪くなります。細菌がついて感染を引き起こす原因にもなります。
術前2 週間前~術後最低1 ヶ月は禁煙をお願い致します。
目力アップクイック法は、皮膚を切開せず、糸で固定する手術ですので、仕上がりには限界があり、永久的な手術方法ではありません。希望に添うためには、別のご手術が必要な場合もありますことをご理解下さい。
※文中の『術後』の表記においては、初回手術を基準とさせて頂きます。
目力アップクイック法|トラブル一覧
A) 顔の雰囲気の変化
B) 目の開きが強すぎる
C) 目の開きが弱い
D) 目の開きの左右差
E) 手術前の状態に戻る
F) 施術しても目の開きを大きくする効果が出ない
G) 二重幅の変化(元々が二重の方)
H) 二重ラインの消失(元々が二重の方)
I) まぶたが閉じにくい
J) 違和感
K) 視力の変化
L) 感 染(化膿する)
M) 糸の露出
N) 血が溜まる
O) 白目や角膜の損傷
A) 顔の雰囲気の変化
A-1トラブルの内容
手術前に比べ、二重がくっきりする・目力が強くなる・眉毛と目の距離が近くなることでお顔の雰囲気が変わります。
A-2 対応
顔の雰囲気の変化は、眼瞼下垂を改善することで生じる自然な変化です。
B) 目の開きが強すぎる
B-1トラブルの内容
思ったより目の開きが大きくなり過ぎることがあります、手術前と同じように目を開いた時に、黒目の上の白目が見えて(上三白眼)ビックリしたような目になります。
3~6 ヶ月経過しますと、強くなった目の開きを調整するようになり、上三白眼は目立たなくなります。
B-2 対応
時間とともに、たぐりよせられたまぶたの筋肉から糸がゆるみ、状態は緩和されていきますので、必ずしも急いで処置を行う必要はありません。強くなった目の開きを弱くしたいとご希望の場合は、まぶたの裏に埋め込んだ糸をさがして抜去させて頂きます。しかし、埋め込んだ糸が見つからないことがあることをご了承ください。
また、糸を取り除いても筋肉が固まって、目の開きが糸の抜去前と変わらない場合があります。どうしても手術前の状態に近づけたいと希望される場合は、まぶたの筋肉をカットして筋力を弱くする手術を行います。ただし、そのような手術を行っても、完全に手術前の状態に戻るとは限らないことをご理解下さい。
C) 目の開きが弱い
C-1トラブルの内容
目を開ける筋肉の筋力を強くすることはできません。筋力の弱い人では、期待通りにパッチリと開かないことがあります。
C-2 対応
目の開きが弱いと感じ、より開きを大きくしたいと希望される場合、糸の埋め込みを追加することをご提案させて頂きます。
※ 目の開きは、目の裏から たぐり寄せられる筋肉の筋力により限界がありますので、再手術を行っても、必ずしも目の開きが大きくなるとは限らないことをご理解下さい。
※ 皮膚を切開して行う眼瞼下垂の修正術を受けて頂きますと、目力を更に強く出来る可能性があります。
D) 目の開きの左右差
D-1トラブルの内容
手術中に、左右が揃うように目の開きを調整します、手術中は局所麻酔の効果や腫れのため、目を開く力に左右差が生じているかもしれません。
その場合、術後に麻酔や腫れが消失すると目の開きに左右差が生じます。また、たぐり寄せられた筋肉がさけたり、糸が外れたりしますと左右差が生じます。
D-2 対応
目の開きの左右差の調整については、上記 B)、C)に準じます。
E) 手術前の状態に戻る
E-1トラブルの内容
たぐり寄せられた筋肉が裂けたり、糸が外れたりしますと、目力アップの効果がなくなります。
E-2 対応
手術前の状態に戻った場合は、再度手術を行わせて頂きます。
F) 施術しても目の開きを大きくする効果が出ない
F-1トラブルの内容
今までに切開法の手術を受けたことがある人では、瘢痕(はんこん)の影響で目力アップクイックを行なっても開きが大きくならない、または、かえって開きが悪くなる事があります。術前に予測することは難しく術中に判断することとなります。
F-2 対応
術中に効果が出ないと判断した場合は、手術を中止いたします。皮膚を切開して行う眼瞼下垂の修正術をおすすめ致します。
G) 二重の幅の変化(元々が二重の方)
G-1トラブルの内容
手術により目の開きが大きくなる、眉が下がる事によって、まぶたの被りが大きくなり、二重の方は、二重の幅が狭くなります。
G-2 対応
目力アップは、目の裏側から目の開きを大きくする手術です。二重の幅を広くするには、埋没法や切開法による手術が必要となります。
H) 二重ラインの消失(元々が二重の方)
H-1トラブルの内容
腫れの影響で二重ラインが消失する、または浅くなり、まつ毛の上に皮膚がかぶさる事があります。腫れが落ち着くと従来の二重に戻ることがほとんどですが、稀に、腫れが消失しても戻らないことがあります。
H-2 対応
腫れが落ち着くと従来の二重に戻ることがほとんどですが、稀に、腫れが消失しても改善されないことがあります。その場合、二重を作る手術(埋没法や小切開法や全切開法)をご提案いたします。
I) まぶたが閉じにくい
I-1トラブルの内容
手術後、腫れや目の開きが良くなることにより、目が完全に閉じない時期があります。また、乾燥などにより角膜への障害が起きることがあります。
I-2 対応
目の開きを大きくするために目が閉じにくくなり、就寝時には目が乾燥することがあります、その場合、お渡しする処方薬をご使用下さい。通常、3 ヶ月程で症状は改善されてきます。また、乾燥などにより角膜損傷の危険があると眼科医が診断した場合は、目の開きを弱くする処置を行わせて頂きます。
J) 違和感
J-1トラブルの内容
糸によって、目を開ける筋肉をたぐり寄せているため、引っ張られているような違和感がある場合があります。通常は、時間とともに馴染み、慣れていくケースがほとんどです。
J-2 対応
見た目や感覚的な違和感から、糸の抜去を希望される場合は抜糸をさせて頂きます。
※ 目の裏に埋め込んだ糸が見つからないことがあります。その場合は、糸の抜去は出来ないことをご了承ください。
K) 視力の変化
K-1トラブルの内容
目の開きが大きくなることで目のレンズが変化するため、近視・遠視・老眼などの方は、視力が変わることがあります。
K-2 対応
眼鏡やコンタクトを使用されている場合は、調整が必要となる可能性があります事をご了承ください。
L) 感 染(化膿(かのう)すること)
L-1トラブルの内容
赤み・腫れ・痛み・熱感が強くなる、または長く続く時は感染が疑われます。
L-2 対応
感染が起きた際は、埋没糸の抜去が必要となります。再固定は、まぶたの炎症が落ち着いた後に行いますことをご了承ください。
M) 糸の露出
M-1トラブルの内容
埋没した糸がまぶたの皮膚側や結膜側に出てくることがあります。そのままにしておくと、感染や傷跡の原因となります。また、裏側に出てきた糸は、眼球を傷つける危険性があります。
M-2 対応
埋没糸がまぶたから露出した場合、早急に埋没糸の抜去が必要となりますので、早めにご来院ください。その後ご希望であれば再固定させて頂きます。
N) 血が溜(た)まる
N-1トラブルの内容
手術後に傷の中で出血すると、まぶたに血が溜まって紫色に腫れ上がります。そのままにしておくと感染やしこりを作る危険があります。
N-2 対応
血が溜まった場合、そのままにしておきますと感染やしこり形成の原因となります。出来るだけ早く処置する必要があります。まぶたの皮膚側か結膜側を切開して、溜まった血を排出します。
O) 白目や角膜の損傷
O-1トラブルの内容
大変稀なことですが、可能性は否定出来ません。手術中に、手術器具が当たる、あるいは糸やまつ毛の先端が当たって眼球の表面に傷がつくことがございます。
O-2 対応
白目や角膜の損傷が生じた例も報告されています。状態に応じた処置や対応をさせていただきます。