下腿部筋萎縮術（ＴＣＲ）大根足を細くする｜手術の詳細
一般に大根足と呼ばれる、太い足を細くする施術を下腿部筋萎縮術（ＴＣＲ）と言います。
下腿部筋萎縮術（ＴＣＲ）（かたいぶきんいしゅくじゅつ）は長い針を皮膚の上から差し込んで、筋肉の中に高周波を流して筋肉を焼くことによって萎縮させる治療です。針を差し込むための3ｍｍ程の傷を膝の裏側の溝や、ふくらはぎの下側に2~4 ヶ所つけます。
傷は縫合する必要はありませんが、稀に縫合が必要な場合もございます。
【麻酔方法】
全身麻酔
下腿部筋萎縮術（ＴＣＲ）大根足を細くする｜ダウンタイム・術後経過
【ダウンタイム】
個人差があります。
■ 腫（は）れ
術後4 週間ほどふくらはぎが腫れることがあります。
（内出血や感染症になった場合、腫れが長引く事もあります）
■ 痛 み
ふくらはぎの痛みが強く、歩行するのが難しい事があります。歩行時の痛みは2 週間程続きます。
手術当日から3 日程は松葉杖を準備させて頂きます。（レンタル料別途必要）
また、軽い痛みを3 ヶ月ほど感じることもあります。
■ 内出血
手術操作によって細かい血管が傷つくと、皮膚の下で出血し、紫色になりますが、2～3 週間で消失します。
■ シャワー浴
手術翌日から、傷口を防水テープで保護すればシャワー浴は可能です。
■ 抜 糸
縫合した場合は1 週間後に抜糸します。
■ 通 院
術後1 週間目
■ 完 成
約3 ヶ月～6 ヶ月
【治療後の経過】
むくみ
3 ヶ月～6 ヶ月
傷の経過
傷の赤みは数ヶ月かけて薄茶色（色素沈着）から白っぽい線へと変化し改善します。
術後3 ヶ月は傷が硬くなりますが徐々に硬さは改善されます。
ふくらはぎの縮小
後は筋肉の腫れの為、ふくらはぎが太く見えることがあります。
１ヶ月程で腫れやむくみが落ち着きますと、細くなった事を実感できます。
その後3～6 ヶ月の経過で、むくみは完全になくなり、筋肉の萎縮も進行します。
下腿部筋萎縮術（ＴＣＲ）大根足を細くする｜手術後に起こりうるトラブル・対応
【喫煙について】
喫煙は血液の循環を悪くする為、傷の治りが悪くなります。細菌がついて感染を引き起こす原因にもなります。
術前2 週間前～術後最低1 ヶ月は禁煙をお願い致します。
調整がある場合は6 ヶ月以降に判断し、調整を行わせて頂くことを御了承下さい。
下腿部筋萎縮術（ＴＣＲ）大根足を細くする｜トラブル一覧
A) 感 染（化膿する）
B) 血が溜まる
C) 思ったより細くなっていない
D) ふくらはぎが凹みすぎる
E) ふくらはぎの輪郭が凸凹する
F) 左右差
G) 知覚麻痺、鈍さ、しびれ、歩行困難
H) 足が疲れやすくなる
I) 傷跡のもりあがり・へこみ・色素
A) 感 染（化膿（かのう）すること）
A-1トラブルの内容
手術後、熱感・痛み・腫れが増す、あるいは長引く場合は感染が疑われます。
A-2 対応
感染が起きた場合は、内服薬服用や抗生剤の投与、洗浄をします。膿がたまった場合には、皮膚を切開して膿を出す処置をさせて頂きます。
B) 血が溜（た）まる
B-1トラブルの内容
術後に傷の中で出血して血が溜まると下腿部が紫色に腫れ上がります。血が溜まったままにすると化膿したりしこりを作ったりするので早目の処置が必要です。
B-2 対応
血が溜まった場合は、針を刺して血を吸い出す処置をします。
C) 思ったより細くなっていない
C-1トラブルの内容
ＴＣＲの効果は、術後萎縮によって筋肉が徐々に萎縮してあらわれてきます。従って、大根足がどれだけ細くなるのかを手術中に判断する事が出来ません。思ったよりも細くなっていない、十分な効果が感じられない場合があります。
C-2 対応
思ったよりも細くなっていない、十分な効果が感じられない場合は、もう一度ＴＣＲ治療を行わせていただきます。
但し、萎縮する筋肉の大きさは限りがあります事を御理解下さい。
ＴＣＲ以外でさらにふくらはぎを細くするには、筋肉にボトックス注射・神経を切除し筋肉を縮小する神経切除、筋肉を切除する筋肉切除といった方法があります。また、脂肪吸引やリポビーン（脂肪溶解注射）といった、筋肉ではなく脂肪を減らす方法もあります。
D) ふくらはぎが凹みすぎる
D-1トラブルの内容
ＴＣＲの効果は、術後萎縮によって筋肉が徐々に萎縮してあらわれてきます。従って、どれだけ細くなるのかを手術中に判断する事が出来ません。予想以上にふくらはぎのボリュームが小さくなることがあります。
D-2 対応
細くなったふくらはぎを膨らませたいと希望される場合、ヒアルロン酸注入、又は脂肪注入で対処させて頂きます。
E) ふくらはぎの輪郭が凸凹する
E-1トラブルの内容
筋肉を焼く操作は手探りで行うこととなり、残された筋肉の形を正確にコントロールすることはできません。焼いた筋肉が、術後凹みになる事があります。また、術後筋肉の萎縮により、凸凹が一層深くなることもあります。
E-2 対応
凸凹の修正をご希望の場合、凹んだ部分にヒアルロン酸又は脂肪を注入することで、修正させて頂きます。
F) 左右差
F-1トラブルの内容
筋肉を焼く操作は手探りで行いますので、正確にコントロールすることはできません。そのため、筋肉を焼く量や、術後の筋肉の委縮に左右差が起こる事があります。
F-2 対応
左右を合わせるには、太い方の筋肉にもう一度ＴＣＲ治療を行わせていただきます。また、太い方の下腿に、ボトックス注射を打つ・神経切除・筋肉切除といった方法もあります。反対に、細くなった方のふくらはぎに、ヒアルロン酸や脂肪を注入し、太くすることも可能です。
※ しかし、それらの処置を行っても完全に左右が同じにはならない事を御了承下さい。
G) 知覚麻痺、鈍さ、しびれ、歩行困難
G-1トラブルの内容
下腿後面を走行する知覚神経に高周波が作用して神経損傷を起こしますと、下腿後面や足の外側に知覚麻痺やしびれ、鈍さが出ることがあります。
G-2 対応
下腿後面や足の外側に知覚麻痺や、しびれ、鈍さが出てくることがありますが、数ヶ月で治癒します。
但し、稀にしびれが残ることがあります。また、筋肉を高周波で焼くため、手術直後は痛みが強くて歩行が難しいことがありますが、通常１週間後には歩行可能です。ごく稀に歩行困難が長引く場合がございます。
H) 足が疲れやすくなる
H-1トラブルの内容
筋肉量が減少することにより、足が疲れやすくなります。
H-2 対応
数ヶ月で回復します。
I) 傷跡のもりあがり・へこみ・色素
I-1トラブルの内容
下腿部筋萎縮術では、数ミリの傷跡ができます。体質によって、傷跡がケロイドのように赤く盛り上がる・色素沈着を起こす・凹（へこ）むなどして目立つ場合があります。
I-2 対応
傷跡がケロイドのように赤く盛り上がる場合は、ステロイド（ケナコルト）注射で改善を図ります。ステロイド注射の副作用としては、傷が凹む・毛細血管が浮きでるといった事があります。
また色素沈着が起こった場合は、色素を薄くするハイドロキノンクリームや肌のターンオーバーを早め、新たな皮膚を再生させるトレチノイン＋ハイドロキノンクリームを必要に応じて処方致します。へこんで目立つ傷に対しては、再度切開し縫合する処置をいたします。