下腿部筋萎縮術(神経切除)大根足を細くする|手術の詳細
下腿部筋萎縮術(かたいぶきんいしゅくじゅつ)(神経切除)では、膝の裏側の皺に沿って2~4cmの皮膚を切開し、下腿後面の3 つの太い筋肉のうち一つの筋肉の神経を切断します。
そうしますと、力を入れても筋肉は動かなくなりますので3 ヶ月~6 ヶ月で筋肉がやせてきます。
下腿の内側が膨らんでいるタイプ(子持ちシシャモのような形)では内側の腓腹筋の神経を切断します。
下腿の外側が張り出しているタイプでは外側の腓腹筋かヒラメ筋の神経を切断します。
【麻酔方法】
全身麻酔
下腿部筋萎縮術(神経切除)大根足を細くする|ダウンタイム・術後経過
【ダウンタイム】
個人差があります。
■ 腫(は)れ
ほとんど目立ちません。(内出血や感染症になった場合、腫れが起こることもあります。)
■ 内出血
手術操作によって細かい血管が傷つくと、皮下で出血し、紫色になりますが、2~3 週間で消失します。
■ 抜 糸
1 週間
■ 洗顔・シャワー浴
手術翌日から、傷口を防水テープで保護すればシャワー浴は可能です。
■ 通 院
術後1 週間目
■ 完 成
約6 ヶ月
【ダウンタイム後の経過】
傷の経過
傷の赤みは数ヶ月かけて薄茶色(色素沈着)から白っぽい線へと変化し改善します。術後3 ヶ月~6 ヶ月は傷が硬くなりますが徐々に硬さは改善されます。
痛 み
術後は切開部分が数日痛むことがあります。上から手で触れたりした時の痛みは1 ヶ月ほど続く事があります。ふくらはぎに痛みを感じる事はほとんどありません。
ふくらはぎの縮小
術直後から筋肉の動きが止まり、力こぶができなくなるのが分かります。3~6 ヶ月で筋肉はやせてきます。
下腿部筋萎縮術(神経切除)大根足を細くする|手術後に起こりうるトラブル・対応
【喫煙について】
喫煙は血液の循環を悪くする為、傷の治りが悪くなります。細菌がついて感染を引き起こす原因にもなります。
術前2 週間前~術後最低1 ヶ月は禁煙をお願い致します。
下腿部筋萎縮術では筋肉が術後3 カ月~6 ヶ月をかけてだんだんと細くなっていきます。
調整がある場合は6 ヶ月以降に判断し、調整を行わせて頂くことを御了承下さい。
下腿部筋萎縮術(神経切除)大根足を細くする|トラブル一覧
A) 感 染(化膿する)
B) 傷が開く
C) 血が溜まる
D) 筋肉の動きが(力こぶ)が残る
E) 思ったより細くなっていない
F) ふくらみが凹(へこ)みすぎる
G) 左右差
H) 知覚麻痺、鈍さ、しびれ、歩行困難
I) 足が疲れやすくなる
J) 傷跡のもりあがり・へこみ・色素沈着
A) 感 染(化膿(かのう)すること)
A-1トラブルの内容
手術後、熱感・痛み・腫れが増す、あるいは長引く場合は感染が疑われます。
A-2 対応
感染が起きた場合は、内服薬服用や抗生剤の投与、洗浄をします。膿がたまった時には、皮膚を切開して膿を出す処置をさせて頂きます。
B) 傷が開く
B-1トラブルの内容
ごく稀に糸がはずれて傷が開くことがあります。
B-2 対応
その場合は再度縫合させて頂きます。
C) 血が溜(た)まる
C-1トラブルの内容
術後に傷の中で出血して血が溜まると下腿部が紫色に腫れ上がります。血が溜まったままにすると化膿したりしこりを作ったりするので早目の処置が必要です。
C-2 対応
血の溜まった部分に針を刺すか、再度、傷を開けて溜まった血を排出する処置をします。
D) 筋肉の動きが(力こぶ)が残る
D-1トラブルの内容
神経が数本に分かれている人がいらっしゃいます。そのタイプの方は、切り残した神経が筋肉を動かすように働くため、十分な手術の効果が出ません。
D-2 対応
十分な手術の効果が出ない場合は、再度、残っている神経を探し出し切除させて頂きます。
神経を探し出すために切開を広げる必要があり、傷跡が長くなる事を御了承ください。
E) 思ったより細くなっていない
E-1トラブルの内容
筋肉が萎縮するには3ヶ月~6ヶ月必要です。筋肉の萎縮する量は個人差があり予測が不可能です。思ったよりも細くなっていない、十分な効果が感じられない場合があります。
E-2 対応
さらにふくらはぎを細くするには、神経を残した筋肉にボトックス注射、TCR(電気で筋肉を焼く)、または筋肉切除といった方法が有効です。このうち縮小効果が一番大きいのは筋肉切除術です。
F) ふくらみが凹(へこ)みすぎる
F-1トラブルの内容
筋肉が萎縮する量は予測、調整できません。萎縮した筋肉の部分が凹んで見えることがありますし、仕上がりに対して思っていたより細くなりすぎたと感じることもあります。
F-2 対応
凹みになった部分の修正をご希望の場合、ヒアルロン酸注入や脂肪注入でふくらみを作ることができます。
但し、ヒアルロン酸は定期的に注入を繰り返す必要がありますし、脂肪注入でも満足のいく結果になるまで繰り返す必要がありますことを御了承ください。
G) 左右差
G-1トラブルの内容
筋肉が萎縮する量は予測・調整が出来ません。左右で萎縮量に違いが出る場合もあります。
G-2 対応
左右を合わせるには、太いほうの下腿にボトックス注射、TCR、又は筋肉切除といった方法があります。
しかし、それらの処置を行っても、完全に左右が同じにはならない事を御了承下さい。
H) 知覚麻痺、鈍さ、しびれ、歩行困難
H-1トラブルの内容
膝の後面には筋肉を動かす神経の他に知覚神経が走行しています。術中に知覚神経をひっぱる操作をしますので、下腿後面や足の外側に知覚麻痺や、しびれが出てくることがあります。
H-2 対応
数ヶ月で治癒します。但し、稀にしびれが残ることがございます。
I) 足が疲れやすくなる
I-1トラブルの内容
筋肉量が減少することにより、足が疲れやすくなります。
I-2 対応
筋肉量が減少することにより足が疲れやすくなりますが、通常数ヶ月で慣れてきます。
J) 傷跡のもりあがり・へこみ・色素沈着
J-1トラブルの内容
下腿部筋萎縮術では、2~4cm の傷跡ができます。体質によって、傷跡がケロイドのように赤く盛り上がる・色素沈着を起こす・凹(へこ)むなどして目立つ場合があります。
J-2 対応
傷跡がケロイドのように赤く盛り上がる場合は、ステロイド(ケナコルト)注射で改善を図ります。ステロイド注射の副作用としては、傷が凹む・毛細血管が浮きでるといった事があります。
また色素沈着が起こった場合は、色素を薄くするハイドロキノンクリームや肌のターンオーバーを早め、新たな皮膚を再生させるトレチノイン+ハイドロキノンクリームを必要に応じて処方致します。
へこんで目立つ傷に対しては、再度切開し縫合する処置をいたします。