上眼瞼脱脂術｜手術の詳細
普通は二重を作る手術に併せて脱脂術を行いますが、すでに二重のある方には脱脂術を単独で行うこともあります。
上まぶたの一部（3mm程度）を切開し、まぶたの奥にある脂肪を除去します。
【麻酔方法】
局所麻酔 笑気麻酔 静脈麻酔+ラリンゲルマスク 全身麻酔
上眼瞼脱脂術｜ダウンタイム・術後経過
【ダウンタイム】
個人差があります。
■ 腫（は）れ
約7～10日間 （朝晩にむくみを感じたり目やにが増えたりします）
内出血や感染症になった場合、腫れが長引く事があります。
■ 内出血
注射針が当たるか手術操作によって細かい血管が傷つくと、皮膚の下で出血し紫色になりますが、１～２週間で消失します。切開部周辺から目の周りに出る可能性があります。
また、白目に内出血が出現すると白目の一部が赤く見えますが、こちらも１～2 週間で消失します。
■ 抜 糸
3～7日目（（上まぶたの切開部についている黒い糸を抜糸します）
■ コンタクト
当日から可能ですがゴロゴロと違和感があるときは中止して下さい。
■ メイク
アイメイクは抜糸した翌日から可能です。その他の部分は手術当日から可能です。
■ 通 院
7 日目
■ 完 成
約1～2ヶ月
【ダウンタイム後の経過】
手術後は腫れやむくみがあり、ご希望と異なると感じることがありますが、しばらくお待ち頂くことでご希望通りに落ち着きますので安心ください。
1. まぶた
手術後の腫れやムクミにより、一時的に 二重の左右差が生じたり、切開部が食い込む・腫れぼったいと感じることがあります。
2. 傷
傷の赤みは数ヶ月かけて薄茶色(色素沈着)から白っぽい線へと変化し改善します
3. 加齢による変化
手術後、まぶたのタルミなど、加齢による変化は引き続き起こります。
上眼瞼脱脂術｜術後に起こりうるトラブル・対応
【喫煙について】
喫煙は血液の循環を悪くする為、傷の治りが悪くなります。細菌がついて感染を引き起こす原因にもなります。
術前2 週間前～術後最低1 ヶ月は禁煙をお願い致します。
手術後4 ヶ月間は、腫れや炎症が残っているため、手術を行うと、傷が汚くなる、癒着（ゆちゃく）が強く変形するなど、原則として調整や手術は行えない時期です。腫れや炎症が収まる4 ヶ月以降に判断し、調整を行わせて頂くことを御了承下さい。
※文中の『術後』の表記においては、初回手術を基準とさせて頂きます。
上眼瞼脱脂術｜トラブル一覧
A) 腫れぼったさが残る
B) 上まぶたが凹みすぎたと感じる
C) 腫れぼったさや凹み具合の左右差
D) まぶたの開きが重たくなる（眼瞼下垂）
E) 小ジワ・シワ・タルミが増える
F) キズアトが目立つ
G) 感 染（化膿する）
H) 血が溜まる
I) 傷が開く
J) 白目や角膜の損傷
K) 眼球の火傷
A) 腫れぼったさが残る
A-1トラブルの内容
まぶたの腫れぼったさの原因は、まぶたの奥にある脂肪だけではありませんので、脂肪を取り除いても、まぶたの腫れぼったさが残ることがあります。
A-2 対応
残った脂肪によるふくらみが気になる場合は、再度、脱脂手術を行います。
※ 残っている眼窩脂肪を除去しても、まぶたの腫れぼったさを改善できる効果には限りがあります。
残っている脂肪を見つけるために、切開が大きくなる可能性があります。また、眼窩脂肪が残っていなくて、手術をしても脂肪を減量できない可能性があります。その場合、ROOF切除・上眼瞼リフト・ブローリフト・前額リフトといった治療法を提案させて頂きます。
B) 上まぶたが凹みすぎたと感じる
B-1トラブルの内容
通常、上眼瞼脱脂術だけではまぶたが凹んでしまうようなことはありません。手術の結果に対して、膨らみが小さくなりすぎたと感じることがあるかもしれません。
B-2 対応
上まぶたが凹みすぎたと感じる場合は、ヒアルロン酸注入・脂肪注入・脂肪移植で、膨らませることが可能です。
C) 腫れぼったさや凹み具合の左右差
C-1トラブルの内容
術中は麻酔注射や手術の腫れのため、まぶたの膨らみを正確に判断することができません。元々の膨らみや、除去した脂肪量の左右差が原因で、術後のまぶたの膨らみに左右差ができることがあります。
C-2 対応
左右差が出た場合、上記 A), B) に準じて調整を行わせて頂きます。基本的に、ご希望の目に合わせ、片側の調整を行います。
D) まぶたの開きが重たくなる（眼瞼下垂（がんけんかすい））
D-1トラブルの内容
まぶたの奥の脂肪を除去した場所に、瘢痕組織（はんこんそしき）という硬い組織ができて、まぶたの持ち上がりを妨げることが原因です。
D-2 対応
まぶたの開きが重たくなる症状は、通常3～4 ヶ月程で改善されることが多いので、経過をみる必要があります。4ヶ月以上経過してもまぶたが重い場合は、目力アップクイックや眼瞼下垂の手術をご提案させて頂きます。
E) 小ジワ・シワ・タルミが増える
E-1トラブルの内容
手術後膨らみが小さくなりますと、皮膚の余りによりシワ・タルミが気になることがあります。
E-2 対応
小ジワ・シワ・タルミが気になる場合は、上眼瞼切開や上眼瞼リフトなど、タルミ取りの手術をご提案させて頂きます。
F) キズアトが目立つ
F-1トラブルの内容
切開したキズアトが下の組織と癒着して、凹んでしまうことがあります。
F-2 対応
キズアトが気になる場合は、下記の方法を用いて改善を図ります。
◆ CO2 レーザー照射（術後3 ヶ月以降） 傷を削り、目立たなくします。
◆ 切開法（術後4 ヶ月以降、傷の赤みが消えたうえで）再度、切開し縫合いたします。
※ 傷を完全になくす事は不可能であり、目立たなくするという目的であることをご了承下さい。また、個人の体質的な要因が大きいため、キズアト修正には限界がありますことをご理解ください。
G) 感 染（化膿（かのう）する）
G-1トラブルの内容
赤み・腫れ・痛み・熱感が増したり、長く続いたりする場合は、感染の疑いがあります。
G-2 対応
感染が起きた場合は、抗生剤の投与を行います。膿が溜まっている場合は、必要に応じて傷を再度開ける、もしくは、新たに切開し、膿を出す処置を行います。
H) 血が溜（た）まる
H-1トラブルの内容
術後に傷の中で出血しますと、血が溜まってまぶたが腫れ上がります。血が溜まったままにしておきますと、感染やしこりを作る恐れがあります。
H-2 対応
血が溜まった場合、そのままにしておきますと感染やしこり形成の原因となります。出来るだけ早く処置をする必要があります。その際は再度傷を開け、溜まった血を排出します。
I) 傷が開く
I-1トラブルの内容
稀に糸が外れて、傷が開いてしまうことがあります。
I-2 対応
傷が開いた場合は、再度、縫合いたします。
J) 白目や角膜の損傷
J-1トラブルの内容
大変稀なことですが、可能性は否定できません。手術中に、手術器具が当たる、あるいは糸やまつ毛の先端が当たって眼球の表面に傷がつくことがございます。
J-2 対応
白目や角膜の損傷や眼球に火傷が生じた例も報告されています。状態に応じた処置や対応を行います。
K) 眼球の火傷
K-1トラブルの内容
大変稀なことですが、可能性は否定できません。手術中に血を止めるための電気メスやバイポーラによって発生した熱で、眼球の表面に火傷を作る可能性があります。
K-2 対応
白目や角膜の損傷や眼球に火傷が生じた例も報告されています。状態に応じた処置や対応を行います。