鼻翼基部プロテーゼ術|術後に起こりうるトラブル・対応

手術の詳細 ダウンタイム・術後経過 術後に起こりうるトラブル・対応

鼻翼基部プロテーゼ術|手術の詳細

鼻翼(小鼻)のつけ根や、鼻柱(鼻の穴と穴の間の部分)のつけ根が陥没していますと、顔がさみしげな印象になります。鼻翼基部プロテーゼは鼻翼や鼻柱の陥没を修正して、顔を立体的で明るい印象にします。
 
通常、上口唇の裏側の粘膜を左右2cm程切開して、鼻翼や鼻柱のつけ根を上顎の骨からはがします。骨の上に作ったポケットの中にシリコンプロテーゼを挿入します。
シリコンプロテーゼの代わりに、ご自身の軟骨(胸から採取する)を用いることもできます。
 


鼻翼基部プロテーゼ術:切開鼻翼基部プロテーゼ術:プロテーゼ挿入
鼻翼基部プロテーゼ術:挿入後イメージ鼻翼基部プロテーゼ術:キズ口の縫合

 

鼻翼基部プロテーゼ術:鼻翼基部プロテーゼ鼻翼基部プロテーゼ術:鼻翼基部+鼻柱プロテーゼ

 
【麻酔方法】
局所麻酔 笑気ガス麻酔 静脈麻酔+ラリンゲルマスク 全身麻酔
 

鼻翼基部プロテーゼ術|ダウンタイム・術後経過

【ダウンタイム】
個人差があります。
 
■ 腫れ
約2~3 日目をピークに約7 日~10 日間程で目立つ腫れはひいていきます。
内出血や感染症が起こった場合は、腫れが長引くこともあります。
 
 
■ 内出血
 
細かい血管が傷つくと、皮膚の下で出血し鼻周辺が紫色や緑色になりますが、1~3週間で消失します。
 
 
■ 抜 糸
 
2週間(口の中のみ)
 
 
■ メイク
 
当日からメイクが可能です。
 
 
■ 完 成
 
約4~6ヶ月
 
【治療後の経過】
 
1、むくみ
 
腫れが引いた後もむくみがしばらく続きます。その間、鼻の下が長く見えたり、鼻下から上唇にかけて厚みを感じたり、小鼻が広がって見えたりすることがありますが、時間の経過と共に落ち着き、4~6ヶ月程経つとスッキリと見えてきます。
 
 
2、傷
 
口の中の傷のため外から見える傷はありません。
 

鼻翼基部プロテーゼ術|手術後に起こりうるトラブル

【喫煙について】
喫煙は血液の循環を悪くする為、傷の治りが悪くなります。細菌がついて感染を引き起こす原因にもなります。
術前2 週間前~術後最低1 ヶ月は禁煙をお願い致します。

 
手術後4 ヶ月は腫れや炎症が残っているため、傷が酷く残りやすく、また癒着が強く変形が起きやすいため、原則として再手術には適さない時期です。腫れや炎症が治まる4 ヶ月以降に判断し、調整を行わせていただくことをご了承下さい。
 

鼻翼基部プロテーゼ術|トラブル一覧

 
A) 感 染(化膿する)
B) 血が溜まる
C) 傷口が開く
D) 糸が出てくる
E) プロテーゼのズレ
F) プロテーゼの違和感・異物感
G) 鼻の穴や小鼻の左右差
H) 小鼻が広がってみえる
I) 鼻尖が上向きに見える
J) 上口唇を持ち上げにくい
K) プロテーゼの飛び出し
L) 上唇の感覚麻痺
M) 陥没の改善が少ない
N) ふくらみすぎる
 
 

A) 感 染(化膿(かのう)する)

A-1トラブルの内容
治療部位に「熱感」「赤みが出る」「強い痛み」「強い腫れ」といった状態が長引く場合は、感染が疑われます。
 
A-2 対応
感染の兆候がみられる場合は、内服薬服用、抗生剤点滴投与を2週間行いますが、それでも改善がみられなかった場合は抜去手術を行わせていただきます。抜去後の再挿入手術の時期は、抜去手術より、少なくとも4ヶ月後(感染の原因となる細菌が完全に消えてから)となります。
 
トラブル一覧へ戻る
 
 

B) 血が溜(た)まる

B-1トラブルの内容
皮膚の中で出血が起こると、傷の中に血が溜まってしまい、腫れ上がります。
 
B-2 対応
溜まった血を注射器で吸いだすか、もう一度傷を開けて排出します。
 
トラブル一覧へ戻る
 
 

C) 傷口が開く

C-1トラブルの内容
稀に、糸が外れて傷が開いてしまうことがあります。
 
C-2 対応
傷が開いてしまった場合には、再縫合させていただきます。
 
トラブル一覧へ戻る
 
 

D) 糸が出てくる

D-1トラブルの内容
プロテーゼと自己組織を縫い合わせる糸が露出することがあります。放置していると化膿する危険がありますので早めにご来院下さい。
 
D-2 対応
放置していると化膿する危険がありますので早めにご来院下さい。糸を取り除く処置をさせて頂きます。
 
トラブル一覧へ戻る
 
 

E) プロテーゼのズレ

E-1トラブルの内容
プロテーゼが、鼻の横の上顎の骨の傾きにそってすべる、あるいは上口唇や頬の表情筋の動きによって押されるため、プロテーゼの位置がずれてしまうことがあります。
 
E-2 対応
手術中にプロテーゼのズレが心配される場合には、皮膚表面まで糸を通して1 週間固定する事があります。
 
それでもズレが起こることはあります。その際は、口腔内を切開し、鼻の横の上顎の骨にドリルで穴を開けて固定するか、スクリューを使用して固定します。
 
トラブル一覧へ戻る
 
 

F) プロテーゼの違和感・異物感

F-1トラブルの内容
術後異物が入ったことにより、違和感(異物感)を感じることがあります。
通常、時間の経過と共に異物感はなくなります。
 
F-2 対応
違和感は時間の経過とともに軽減していきます。半年程経過をみて頂く必要があります。
それでも気になる場合には抜去させて頂きます。
 
トラブル一覧へ戻る
 
 

G) 鼻の穴や小鼻の左右差

G-1トラブルの内容
元々ある左右差、又は挿入したプロテーゼの位置のズレにより、小鼻や鼻の穴の形に左右差を生じることがあります。
 
G-2 対応
元々ある鼻翼の左右差の改善は不可能な事をご理解下さい。
プロテーゼの曲がりやズレによる左右差の場合には、上記E)に準じて修正させて頂きます。
但し、プロテーゼの位置を修正しても完全に左右対称にならないことがあることを御理解下さい。
 
トラブル一覧へ戻る
 
 

H) 小鼻が広がってみえる

H-1トラブルの内容
小鼻を横にひっぱる表情筋の力が強い人では、小鼻を骨からはがしただけで横に広がることがあります。
プロテーゼによって、小鼻のつけ根が前方に押し上げられると、小鼻が多少なりとも横に広がる傾向があります。
 
H-2 対応
プロテーゼを抜去するか、小さい物に入れ替えることで改善が期待出来ます。
但し、鼻翼のつけ根の陥没が元のように深くなることを御理解下さい。
 
小鼻を横にひっぱる筋肉が強いケースでは、プロテーゼを抜去しても広がった小鼻が元通りには戻らないことがあります。
 
また、広がった小鼻を狭くする方法として、鼻翼縮小術が有効です。
しかし、鼻翼縮小をしても元通りの形にはならない事を御理解下さい。
 
トラブル一覧へ戻る
 
 

I) 鼻尖が上向きに見える

I-1トラブルの内容
鼻柱のつけ根が前方に押し上げられますと、鼻柱が押されて鼻尖も前方に持ち上がることがあります。そうなりますと、鼻尖はやや高くなるとともに上を向く傾向があります。
 
I-2 対応
プロテーゼを抜去するか、小さい物に入れ替えることで改善は期待出来ます。修正後は鼻柱のつけ根の凹みが元のように深くなることを御理解下さい。
 
トラブル一覧へ戻る
 
 

J) 上口唇を持ち上げにくい

J-1トラブルの内容
プロテーゼを入れるために、上口唇を持ち上げる筋肉を骨からはがすことになりますので、上口唇が上がりにくくなり、「笑いにくい」「表情が作りにくい」と感じることがあります。元々笑った時に歯が見えにくい方は更に歯が見えにくくなります。
 
逆にガミースマイルの方は、笑った時に歯茎が見えにくくなるという好ましい結果になります。
 
J-2 対応
時間の経過と共に慣れが生じ表情の作りにくさは改善していきますので、半年程経過をみて頂く必要があります。
 
経過を待っても上口唇の持ち上がりが悪いと感じる場合には、ご希望により、小さいプロテーゼへの入替え、又は、抜去手術を行います。
 
トラブル一覧へ戻る
 
 

K) プロテーゼの飛び出し

K-1トラブルの内容
感染が起きたプロテーゼをそのまま放置しておくと、口腔内や鼻の粘膜を突き破ってプロテーゼが飛び出す危険性があります。また、サイズが大きすぎる場合にもプロテーゼが飛び出す危険性があります。
 
シリコンプロテーゼの代わりに軟骨を使用しますと、飛び出す危険性は低くなります。
 
K-2 対応
プロテーゼが飛び出すと、破れた粘膜がひきつれて小鼻や上口唇に変形を招くことがあります。
出来れば、プロテーゼが飛び出す前に治療を行うことをお勧めします。
 
また、プロテーゼが飛び出してしまった後に、再挿入手術をご希望の場合は、少なくとも4 ヶ月(感染の原因となる細菌が完全に消えてから)以上間をあけてから手術をさせて頂きます。
 
トラブル一覧へ戻る
 
 

L) 上唇の感覚麻痺

L-1トラブルの内容
上口唇部分に関わる細かい神経を触るため、上口唇の感覚にしびれや麻痺が生じることがあります。
 
L-2 対応
一時的な症状のため1~6 ヶ月程で改善してきますが、改善には個人差があり、まれにしびれが残ることもあります。
 
トラブル一覧へ戻る
 
 

M) 陥没の改善が少ない

M-1トラブルの内容
プロテーゼによって押し上げられる鼻翼や鼻根のつけ根の移動する量は、必ずしもプロテーゼの厚みと一致するわけではなく、少なくなることがあります。押し上げられる量は個人差があり、正確に予測することはできません。
 
そのため、陥没の改善が物足りないと感じることがあります。
鼻翼基部プロテーゼによって深い法令線がいくらか改善します。しかし、法令線は軟部組織の形やたるみが原因ですので、鼻翼基部プロテーゼで骨の陥没を修正しても法令線が消えることはありません。
 
M-2 対応
ご希望により、プロテーゼを大きなものに入れ替えさせて頂きます。
 
大きなプロテーゼを使用することで、小鼻が広がったり、上口唇の持ち上がりが悪くなったりする場合があることをご了承下さい。また、ヒアルロン酸注入でも陥没を改善することは可能です。
 
トラブル一覧へ戻る
 
 

N) ふくらみすぎる

N-1トラブルの内容
術後はむくみのため、ふくらみすぎといった印象を受けることがあります。時間の経過を待つ必要があります。
また、プロテーゼが大きいために、ご希望よりふくらみすぎたと感じることがあります。
 
N-2 対応
プロテーゼが大きすぎると感じた時は、プロテーゼを抜去するか、小さいプロテーゼに入替えさせて頂きます。
 
トラブル一覧へ戻る