鼻尖縮小術(団子鼻を治す)|術後に起こりうるトラブル・対応

手術の詳細 ダウンタイム・術後経過 術後に起こりうるトラブル・対応

鼻尖縮小術|手術の詳細

鼻先の皮下組織(主に脂肪)を除去し、鼻翼軟骨と呼ばれる左右に開いた鼻先の軟骨を真ん中に寄せて縫い合わせたりして、ふくらみのある丸い団子鼻を細くスマートな鼻先に治す手術です。
 
1. 団子鼻

鼻尖縮小術:鼻尖が大きな原因

 
2. 脂肪を切り取る
鼻尖縮小術:空気の通る穴を狭くする

 
3. 角度とカーブの調整
鼻尖縮小術:術後のイラスト

 
■ 切開法
鼻尖縮小術:切開法「オープン法」「クローズ法」

 
【麻酔方法】
局所麻酔 ラリンゲルマスク麻酔 全身麻酔
 

鼻尖縮小術|ダウンタイム・術後経過

【ダウンタイム】
個人差があります。
 
■ 腫れ
 
2~3 日目をピークに7~10 日間程で目立つ腫れはひいてきます。
内出血や感染症が起きた場合は、腫れが長引くこともあります。
 
 
■ 内出血
 
細かい血管が傷つくと、皮膚の下で出血し、鼻周辺が紫色や緑色になりますが、1~3 週間で消失します。
 
 
■ ドレーン(管)
 
出血が皮下に溜まるのを防ぐために1~3 日間鼻内に留置することがあります。
抜く際に鼻の粘膜から出血することがあります。
 
 
■ ギプス
 
約1 週間 その後は2~4 週間就寝時のみ装着。
 
 
■ 抜 糸
 
【オープン法】(表面よりアプローチする為、鼻の外側に傷があります。)
⇒約1 週間目(鼻の表面)・約2 週間目(鼻の穴の中)
 
【クローズ法】(鼻の内側よりアプローチした場合)
⇒約2 週間目(鼻の穴の中)
 
 
■ メイク
 
治療箇所以外はメイクが可能です。1 週間目の抜糸後からは全体にメイクが可能です。
 
 
■ 通 院
 
1 日目・(2 日目)・1 週目・2 週目
 
【ダウンタイム後の経過】
 
1、むくみ
 
ギプス抜去後は一時的にむくみが生じます。その為「太すぎる」と感じることがあります。
時間の経過とともに落ち着き、4~6 ヶ月程経つとスッキリ見えてきます。

2、傷
 
オープン法で行った場合は、数ヶ月は傷の赤みがあり、その後時間の経過と共に除々に薄茶色(色素沈着)から白っぽい線に変化します。3~6 ヶ月は鼻の中の傷が硬くなりますが、除々に改善されます。

3、完 成
 
約4~6 ヶ月

鼻尖縮小術|手術後に起こりうるトラブル・対応

【喫煙について】
喫煙は血液の循環を悪くする為、傷の治りが悪くなります。細菌がついて感染を引き起こす原因にもなります。
術前2 週間前~術後最低1 ヶ月は禁煙をお願い致します。

 
手術後4 ヶ月は腫れや炎症が残っているため、傷が酷く残りやすく、また癒着が強く変形が起きやすいため、原則として再手術には適さない時期です。腫れや炎症が治まる4 ヶ月以降に判断し、調整を行わせていただくことをご了承下さい。
 

鼻尖縮小術|トラブル一覧

 
A) 感 染(化膿する)
B) 血が溜まる
C) 傷が開く
D) 中縫いの糸が出てくる
E) 鼻の穴の左右差 & F)鼻尖の曲がり
G) 鼻孔縁が上に挙がる
H) 鼻尖上部の皮膚の盛り上がり
I) 鼻尖の皮膚の凹み
J) 鼻尖の違和感
K) 鼻閉感(鼻が通りにくい感じ)
L) 鼻尖が太すぎる(鼻尖縮小の効果が物足りない)
M) 鼻尖が細すぎる
N) 鼻尖が上を向く(稀に下を向く)
 
 

A) 感 染(化膿(かのう)する)

A-1トラブルの内容
治療部位に「熱感」「強い痛み」「強い腫れ」等といった状態が長引く場合は、感染が疑われます。
 
A-2 対応
感染が起きた場合は内服薬の服用、抗生剤点滴投与を2週間続けて経過をみます。
膿が溜まっている場合は、鼻の中を切開して洗浄します。 
 
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B) 血が溜(た)まる

B-1トラブルの内容
手術後に鼻尖の傷の中で出血が起こって、血が溜まることがあります。血が溜まりますと、鼻尖が紫色に腫れ上がります。溜まった血をそのままにしておきますと、感染や鼻尖が太くなる原因となります。
 
B-2 対応
溜まった血を注射器で吸い出すか、もう一度傷を開けて排出します。 
 
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C) 傷口が開く

C-1トラブルの内容
稀に糸が外れたり、傷口の治りが悪く、傷口が開いてしまうことがあります。
 
C-2 対応
傷口が開いてしまった場合は、もう一度傷を縫い合わせる処置を致します。
 
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D) 中縫いの糸が出てくる

D-1トラブルの内容
中縫いの糸(皮膚の下の組織を縫い合わせる糸)が露出することがあります。
 
D-2 対応
放置していると化膿する危険がありますので早めにご来院下さい。糸を取り除く処置をさせて頂きます。
 
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E) 鼻の穴の左右差  & F) 鼻尖の曲がり

E・F-1トラブルの内容
左右の鼻先の軟骨を縫い合わせる時にずれが生じますと、鼻尖が左右どちらかに傾いたり、鼻の穴に左右差が起こることがあります。
 
オープン法よりクローズ法で手術を行いますと、ずれや左右差が起こりやすくなります。また、元々左右の軟骨の形や大きさに違いがある場合には、左右差や傾きが起こりやすくなります。
 
E・F-2 対応
もし左右差の修正をご希望される場合は、再度切開して鼻尖の軟骨を縫い直す処置をさせて頂きます。
できればオープン法での手術をお薦め致します。オープン法では術後に鼻柱に傷跡が残ります。
 
また、再手術を行いましても、完全に左右差がなくならないことがありますことをご了承下さい。
 
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G) 鼻孔縁が上に挙がる

G-1トラブルの内容
左右の鼻先の軟骨をしばり合わせて鼻先を尖らせると鼻の穴が横長から縦長になる為、正面から見て鼻孔縁が上に挙がってみえることがあります。
 
G-2 対応
気になる場合には、しばり合わせた糸をほどいて尖らせた分を戻すことにより改善しますが、鼻先は丸くなることをご理解下さい。
 
また、鼻孔縁形成術をさせて頂きますと挙がった鼻孔を下げることができますが、鼻尖が太くなることがあります。
 
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H) 鼻尖上部の皮膚の盛り上がり

H-1トラブルの内容
左右の鼻先の軟骨をしばり合わせると、鼻尖上部の肉が中央に寄って盛り上がって見えることがあります。
4 ヶ月程経つと、むくみが治まり、盛り上がっている部分は小さくなってきます。
 
H-2 対応
気になる場合は、余って盛り上がっている皮膚を外側から切り取る手術を行うことによって、盛り上がりをなくすことができます。切り取った部分に傷ができますが、時間と共に目立たなくなります。
 
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I) 鼻尖の皮膚の凹み

I-1トラブルの内容
鼻尖を縮小する為に脂肪を切除した場合、皮膚と軟骨が強く癒着すると、凹みができることがあります。
4 ヶ月程経過をみて頂きますと、傷が柔らかくなり凹みが浅くなってきます。
 
I-2 対応
凹みの修正をご希望の場合には、患者様ご自身の血液から作った多血小板血清(PRP)や、ヒアルロン酸を注入したり、真皮脂肪や軟骨を移植します。
 
但し、ヒアルロン酸注射によって皮フの血行障害を起こす危険があります。
 
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J) 鼻尖の違和感

J-1トラブルの内容
左右の鼻先の軟骨をしばり合わせることで、鼻尖に硬さがでます。また、鼻尖の皮下脂肪を切除した後にできる瘢痕組織(はんこんそしき)は通常の皮フや脂肪より硬いため鼻尖が硬くなります。鼻尖の硬さを違和感と感じるかもしれません。
 
J-2 対応
時間と共に改善されることがほとんどですが、どうしても気になる場合、縫い寄せた軟骨の糸をはずす処置をいたしますが、完全に元の柔らかさに戻らないこともあります。
 
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K) 鼻閉感(鼻が通りにくい感じ)

K-1トラブルの内容
鼻尖の軟骨を縫い合わせることによって、鼻の中のスペースが狭くなり、鼻が通りにくいと感じることがあります。術後3~6 ヶ月程経過して、鼻の中の粘膜の腫れが引いてきますと鼻づまりが改善されてきます。
この間は市販の鼻炎スプレーを使用して頂きますと鼻づまりが軽くなります。
 
K-2 対応
半年しても症状が残った場合、縫い合わせた鼻尖の軟骨の癒着をはがし、軟骨が広がるように糸で固定します。糸だけでは不十分な時は耳から軟骨を採取して鼻尖の軟骨を補強します。ただし、鼻閉感が完全には取れないことがある事をご理解ください。また、鼻尖の軟骨が広がることにより鼻尖が丸く太くなることをご了承ください。
 
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L) 鼻尖が太すぎる(鼻尖縮小の効果が物足りない)

L-1トラブルの内容
鼻尖縮小を行っても鼻尖が思ったほど細くならないことがあります。術後の皮フのむくみや脂肪を切り取った部分に瘢痕組織(はんこんそしき)ができて分厚くなることが原因です。4~6 ヶ月程経過をみて頂きますと、スマートになってきます。
 
L-2 対応
術後3週目以降からステロイド剤(ケナコルト)を鼻尖に注射することでむくみや瘢痕を縮小させる効果が期待できます。
 
ステロイド注射の効果には個人差があります。ステロイド注射は効果が出るまで1ヶ月以上間隔をおいて数回繰り返さなければならないことがあります。ステロイドの副作用として、ふくらみが凹みすぎることがあります。
 
また、注射を繰り返しますと、皮フに毛細血管が浮き出て赤アザのようになることがあります。
半年程経過をみても鼻尖縮小の効果が物足りない場合、ご希望があれば再度手術をさせて頂くことは可能です。
 
但し、もう一度手術を行ったからといって、更に細くなるという保証は出来かねることをご理解下さい。
 
更に鼻先の組織を取りすぎると凹みが出来たり、軟骨同士をしばり合わせる糸をきつくしすぎると、鼻が通りにくくなったりする事があります。
 
また、鼻の皮膚が厚い場合、鼻尖縮小の効果が思った程表面に反映されない可能性があります。
その場合は、外側から皮膚を切り取ります。
 
切り取った部分に傷ができますが、時間と共に目立たなくなります。
鼻尖形成術や、鼻中隔延長術も鼻先をより細く見せるのに有効です。
 
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M) 鼻尖が細すぎる

M-1トラブルの内容
鼻尖がどれくらいの細さになるのか、正確にコントロールすることはできません。
そのため、術後の鼻尖がご希望より細くなってしまうことがあります。
 
M-2 対応
鼻先の軟骨をしばっている糸をはずすことで、鼻先は多少丸くなります。
 
必要により、鼻先に真皮脂肪や耳の軟骨を移植したり、ヒアルロン酸を注入することで、細くなった鼻尖に丸みや太さを作ることが可能です。
 
但し、修正を行ったからといって、希望通りの太さにならない場合があることをご理解下さい。
ヒアルロン酸の注入では鼻尖の皮フの血行障害(皮フ壊死(えし))の危険があります。
 
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N) 鼻尖が上を向く(稀に下を向く)

N-1トラブルの内容
左右の軟骨を縫い寄せた時、軟骨の形によって鼻尖が上を向くことがあります。
また、稀に鼻尖が下に延びることもあります。
 
N-2 対応
気になる場合は、軟骨をしばっている糸をはずして 尖らせた鼻尖を元に戻すことである程度改善することができますが、鼻尖は丸く(太く)なります。
 
鼻尖の軟骨が手術の影響で硬く変形してしまっている場合には、糸を外しても鼻尖の位置を修正できないことがありますことをご理解下さい。
 
鼻尖の細さをそのままにして修正をご希望される場合には、鼻尖形成術や鼻中隔延長術をお薦め致します。
 
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