額輪郭ミニ形成術|治療法の詳細
額の髪の生え際、又は頭髪内2 ヶ所を、2cmほど切開し、額の皮膚を頭の骨から剥がして、額の凹(へこ)み部位や丸みを出したい部位に適量のハイドロキシアパタイトを注入して額の輪郭を整える手術です。
アパタイトは、注入時はジェル状ですが、数分で固まってきます。最終的には骨の硬さになり、骨になじみます。
手術前にヒアルロン酸によるシミュレーションが必ず必要です。
プロテーゼはずれないように金属製のスクリューで骨に固定します。手術前にヒアルロン酸によるシミュレーションをおすすめします。
※ハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウム骨ペースト)とは、人体の骨や歯と同じ化学組成をもつ物質のことで、医療現場で骨欠損部の補填材(ほてんざい)として用いられているものです。
※ヒアルロン酸によるシミュレーションは、通常、手術の1 週間前までに行います。
3 日ほどで吸収されるヒアルロン酸を使用して、どのくらい額の高さをだすか、またどのような形にするか等、実際に手術で使用する素材の量やデザインを決めます。
◆ シミュレーション 1 回 ¥21,000
【麻酔方法】
全身麻酔
額輪郭ミニ形成術|ダウンタイム・術後経過
【ダウンタイム】
個人差があります。
■ 腫(は)れ
約10 日~2 週間。腫れが額から目元へ移行してきますので視界が悪くなることがあります。
内出血や感染症になった場合、腫れが長引くこともあります。
■ 内出血
手術操作によって細かい血管が傷つくと、皮膚の下で出血し紫色になりますが、1~3週間で消失します。
■ 抜 糸
1 週間後
■ ドレーン
血が溜(た)まることを予防するために、血を抜く管を挿入することがあります。
通常、手術から4 日間入れておきます。留置期間は状態によって前後します。
■ 洗顔・シャワー浴
首から下は手術翌日から、顔と頭部はドレーン抜去の翌日から濡らしてかまいません。
■ メイク
ドレーン抜去の翌日から可能です。
■ 通 院
翌日・2日目(3日間)・術後1週間目・術後2週間目
■ 完 成
約3 ヶ月
【ダウンタイム後の経過】
1. むくみ
3ヶ月
2. 傷の経過
傷の赤みは数カ月かけて薄茶色(色素沈着)から白っぽい線へと変化し改善します。
また、頭髪内の傷に沿って数ミリ幅の脱毛が残ります。3ヶ月は傷が硬くなりますが徐々に改善されます。
額輪郭ミニ形成術|術後に起こりうるトラブル・対応
【喫煙について】
喫煙は血液の循環を悪くする為、傷の治りが悪くなります。細菌がついて感染を引き起こす原因にもなります。
術前2 週間前~術後最低1 ヶ月は禁煙をお願い致します。
※4ヶ月以内に再手術を行うと、傷が汚くなる、脱毛範囲が広がるなどの可能性があるためおすすめしません。
額輪郭ミニ形成術|トラブル一覧
A) 感染(化膿する)
B) アレルギー反応
C) 血が溜まる
D) 中縫いの糸が出てくる
E) 前頭部から額にかけての知覚の麻痺、鈍さ
F) 眉毛の動きの麻痺
G) 切開箇所の一時的な脱毛
H) 額に凹凸や突起ができたり、左右差が出る
I) 高すぎる・低すぎる・イメージと違う
J) レントゲン・CT・MRIに対する影響
A) 感染(化膿(かのう)すること)
A-1トラブルの内容
手術後、熱感・痛み・腫れが増す、あるいは長引く場合は感染が疑われます。
A-2 対応
感染が起きた場合は、内服薬服用や抗生剤の投与を2 週間続けて経過をみます。
それでもおさまらない場合はハイドロキシアパタイトを抜去します。再挿入は抜去から4 ヶ月以降に行います。
ハイドロキシアパタイトは骨と大変なじみが良いため、一部を切開するだけでは全てを取り除くことができません。
そのため、確実に取り除くために後頭部を切開し、眉毛の上まで皮膚を剥がしてアパタイトを抜去します。
B) アレルギー反応
B-1トラブルの内容
非常に稀ですが、ハイドロキシアパタイトに対して異物反応を起こす場合があります。
B-2 対応
ハイドロキシアパタイトは骨と大変なじみが良いため、一部を切開するだけでは全てを取り除くことができません。
そのため、確実に取り除くために後頭部を切開し、眉毛の上まで皮膚を剥がしてアパタイトを抜去します。
C) 血が溜(た)まる
C-1トラブルの内容
術後に傷の中で出血して血が溜まると額や目の周りが紫色に腫れ上がります。血が溜まったままにすると化膿したりしこりを作ったりするので早目の処置が必要です。
C-2 対応
再度、傷を開け溜(た)まった血を排出する処置をします。
D) 中縫いの糸が出てくる
D-1トラブルの内容
皮膚の中で縫合した糸の先端が皮膚をつきぬけて外に出てくることがあります。放置すると化膿するおそれがありますので早目の処置が必要です。
D-2 対応
糸を取り除く処置をさせて頂きます。
E) 前頭部から額にかけての知覚の麻痺(まひ)、鈍さ
E-1トラブルの内容
手術操作の際に目の上で知覚神経の近くを剥離しますので、前頭部から頭頂部にかけて知覚が麻痺(まひ)することがあります。また、知覚が鈍くなりますと頭に痒みを感じることがあります。
E-2 対応
個人差はありますがほとんどの場合、約3~6 ヶ月かけて自然回復します。
回復期間内に頭に痒みを覚えることがあります。
まれに感覚が完全に元通りには戻らないこともあります。
F) 眉毛の動きの麻痺(まひ)
F-1トラブルの内容
手術操作の際に眉毛を持ち上げる筋肉を動かす神経の近くを触る必要があります。そのため、眉毛が上がりにくくなることがあります。
F-2 対応
眉毛が上がりにくくなることがありますが、約1~3 ヶ月で自然回復します。まれに、動きが完全に元通りには戻らないということもあります。
眉毛の左右差が目立つ場合、眉毛の上がっている側(正常側)の額にボトックスを注射して左右のバランスを整えることができます。
G) 切開箇所の一時的な脱毛
G-1トラブルの内容
額の切開箇所の毛が傷に沿って、一時的に脱毛します。
G-2 対応
ほとんどの場合再生しますが、最終的に数ミリ幅の脱毛が残ります。タバコを吸われる方は毛が再生せず脱毛範囲が広がることがあります。
H) 額に凹凸や突起ができたり、左右差が出る
H-1トラブルの内容
ハイドロキシアパタイトを小さい切開から注入して、皮膚の上からおさえて形を整えるため、パタイトが偏って、凹凸や左右差が出る可能性があります。
H-2 対応
気になる場合は、再度同じ箇所か修正に必要な別の箇所を切開しアパタイトを削る、もしくは追加注入します。
調整のためには切開が大きくなることがありますことをご了承下さい。
I) 高すぎる・低すぎる・イメージと違う
I-1トラブルの内容
手術はシミュレーションを元に行いますが、仕上がりに対して高すぎる・低すぎる・イメージと違うと感じる場合があります。
I-2 対応
仕上がりに対して高すぎる・低すぎる・イメージと違うと感じる場合は、再度同じ箇所か修正に必要な別の箇所を切開し、アパタイトを削るもしくは追加注入します。
また少しの膨らみを出す場合はヒアルロン注入で調整することも可能です。(調整のためには切開範囲が広範囲になることがあります)アパタイトを全て取り除くことをご希望の場合は、後頭部を大きく切開して皮膚を眉骨まではがしてアパタイトを削り取る処置を致します。
J) レントゲン・CT・MRIに対する影響
J-1トラブルの内容
骨を切った部位や骨を固定する金属製のプレートやワイヤーは画像に移ります。しかし、CT やMRI の検査を受けて頂くことに支障はございません。
J-2 対応
レントゲン・CT・MRIいずれの検査も問題なく受けて頂けますが、ハイドロキシアパタイトは写ります。