脂肪注入|術後に起こりうるトラブル・対応(テキスト版)

手術の詳細 ダウンタイム・術後経過 術後に起こりうるトラブル・対応

脂肪注入|手術の詳細

脂肪を取りたい部分から余分な脂肪を吸引し、膨(ふく)らませたい部分に注入します。
 
一度体から吸い出された脂肪細胞は、そのまま外に放置すると死んでしまいます。取り出した脂肪を注入して体の中に戻すと、生き返ってくれます。この生き返った脂肪細胞が膨(ふく)らみを維持します。
 
注入した脂肪の生着率は2~7割程度と言われています。
 
【麻酔方法】
局所麻酔 ラリンゲルマスク麻酔 全身麻酔
 

脂肪注入|ダウンタイム・術後経過

【ダウンタイム】
個人差があります。
 
 
■ 腫(は)
 
約1 週間~2 週間
内出血や感染症になった場合、腫れが長引くこともあります。
 
 
■ 内出血
 
細い血管が傷つくと、脂肪吸引部位や脂肪注入部分が2~3 週間程、紫色~緑色になります。
 
 
■ 抜 糸
 
1 週間
 
 
■ メイク
 
手術翌日から可能です。
 
 
■ 洗顔・シャワー浴
 
手術翌日から、傷口を防水テープで保護すれば洗顔・シャワー浴は可能です。
 
 
■ 通 院
 
(1 日目)1 週目・2 週目
 
 
【術後経過】
 
1. 痛 み
 
脂肪吸引部には1 週間程、強い痛みがあります。
その後1~3 ヶ月程は、動いた時や触った時に痛みを感じます。
 
 
2. 傷 跡
 
脂肪吸引部の傷跡の赤みが3~6 ケ月続きます。最終的には数ミリの白い傷跡になります。
脂肪注入部の傷跡は太い針穴程度ですが、傷の赤みが落ち着くのには3~6 ケ月必要です。
 
 
3. 注入した脂肪の吸収
 
注入された脂肪の半分以上は1 ケ月程で吸収されてしまいます。
そのため、必要量の2~3 倍の脂肪を注入しますので、術後2~4 週間は膨(ふく)らみすぎと感じます。
 
 
4. 完 成
 
約3 ヶ月
 

脂肪注入|手術後に起こりうるトラブル・対応

【喫煙について】
喫煙は血液の循環を悪くする為、傷の治りが悪くなります。細菌がついて感染を引き起こす原因にもなります。
術前2 週間前~術後最低1 ヶ月は禁煙をお願い致します。

 
手術後4 ヶ月は腫れや炎症が残っているため、手術を行うと、傷が汚くなる、癒着(ゆちゃく)が強く変形するなど、手術は行えない時期です。腫れや炎症が治まる4 ヶ月以降に判断し、調整を行わせていただくことをご了承下さい。
 

脂肪注入|トラブル一覧

 
A) 感 染(化膿する)
B) 血が溜まる
C) 物足りないと感じる
D) 膨らみすぎたと感じる
E) 左右差
F) 皮膚の色素沈着
G) 傷跡の盛り上がり・凹み・色素沈着
H) テープかぶれ
 
 

A) 感 染(化膿(かのう)する)

A-1トラブルの内容
脂肪注入の手術後、熱感・痛み・腫れが増す、あるいは長引く場合は、感染が疑われます。
 
A-2 対応
感染が起きた場合は、内服薬服用や抗生剤の投与を1 週間続けて経過をみます。
膿がたまった時には、皮膚を切開して膿を出す処置をさせて頂きます。
 
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B) 血が溜(た)まる

B-1トラブルの内容
術後皮膚の中で出血が起こると、傷の中に血が溜まってしまい、腫れ上がります。
 
B-2 対応
再度、傷を開け溜(た)まった血を排出する処置をします。
 
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C) 物足りないと感じる

C-1トラブルの内容
脂肪の生着率には個人差があり、予想外に吸収されて膨(ふく)らみが足りなくなることがあります。
 
C-2 対応
手術後の経過が物足りないと感じる場合、足りない部分に再度脂肪注入をするか、ヒアルロン酸を注入して膨(ふく)らみを補うことができます。
 
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D) 膨(ふく)らみすぎたと感じる

D-1トラブルの内容
脂肪の生着率には個人差があり、予想以上に生着がよく、膨(ふく)らみすぎてしまうことがあります。
 
D-2 対応
膨らみすぎたと感じる場合、膨らみすぎた部分の脂肪を吸引する、ステロイド(ケナコルト)注射を打つ、あるいは脂肪溶解注射を打つといった方法があります。
 
※ ステロイドには脂肪を萎縮させる作用がありますが、副作用としては、凹みすぎる、皮膚が薄くなる、毛細血管が浮きでるといった事があります。
 
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E) 左右差

E-1トラブルの内容
脂肪の注入量や注入部位はできるだけ左右でそろえるように行いますが、生着率が左右で異なり、膨(ふく)らみに左右差を生じることがあります。
 
E-2 対応
左右差の修正をご希望の場合、C) D)に準じてボリュームの足りない側に脂肪の追加注入をする、あるいはボリュームが大きい側に脂肪吸引を行うといった処理をさせて頂きます。
 
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F) 皮膚の色素沈着

F-1トラブルの内容
内出血ができることは珍しいことではありません。
(まれ)に、内出血の血液の分解産物の色素が皮膚の中に残って、茶色の色素沈着が続くことがあります。
 
F-2 対応
内出血が起きた場合、通常約3 週間で消失します。
茶色の色素沈着が続くことがありますが、6~12 ヶ月で色は薄くなっていきます。
 
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G) 傷跡の盛り上がり・凹み・色素沈着

G-1トラブルの内容
脂肪を吸引した所に、数ミリの傷跡が何ヶ所かできます。体質によって傷跡がケロイドのように赤く盛り上がったり、色素沈着を起こしたり、凹んだりして目立つ場合があります。
 
G-2 対応
気になる場合、下記の方法を用いて改善を図ります。
 
ステロイド(ケナコルト)注射
   赤く盛り上がった傷を平らにする効果が期待できます。
   効果が期待出来るまで、1 ヶ月に1 回の治療を繰り返す可能性があります。
   またステロイドの副作用として、皮膚や傷が凹む、細かい血管が浮き出るといったことがあります。
 
ハイドロキノンクリーム
   色素を薄くします。
 
トレチノイン+ハイドロキノンクリーム
   肌のターンオーバーを早め、新たな皮膚を再生させます。
 
切 開 法
   凹んで目立つ傷は、切開して再縫合を行うことで改善が期待できます。
 
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H) テープかぶれ

H-1トラブルの内容
手術後、傷口を保護するためにテープを貼らせて頂きます。皮膚の弱い方ですとテープかぶれを起こす場合があります。
 
H-2 対応
なるべくテープかぶれにならないように、テープを貼るのは短期間にさせて頂きます。
 
テープかぶれで出来た水ぶくれや皮膚のむけた所は、1~2 週間で治りますが、その後3~6 ケ月程色素沈着になることがあります。
 
その場合は、ハイドロキノンクリーム、トレチノイン+ハイドロキノンクリームでの治療をおすすめします。
 
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